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底無しの絶望、ほんの少しの希望 [Syrup 16g]

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最近はこのアルバムばかり聴いている。特にリマスターされて低音が図太くなって彼ら本来の音の魅力が倍加してからは尚更だ。サビで重低音がドーンとくるところなんざ快感の極地だ。

アルバムを購入した当初は<不眠症>とか<もったいない>あたりのいかにもらしい曲を重点的に聴いていたのだが、このところはとにかく全部聴く。アルバム全曲でセットのような感覚なのだ。この曲順すら考え抜かれているのではないかと思うほどに。
ここで描かれているのは異常なまでに不健康な精神(五十嵐隆言うところの、内科で診てもらえない病気の主?)を持つ<今を生きる人々>へのどす黒い皮肉と批判。で、それは自分もそうであるという絶望。でも<、、、、美味しいお蕎麦やさんを見つけたから食べに行こうよ>というほんの少しのささやかな希望。

サウンドは圧倒的に美しく重く、そして言葉は暗くせつなく、光り輝くほどに眩しい。こんなロックアルバム、ほかにない。