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自由ではない [ギャルソン]

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俺が生まれたのは1963年。あ、55歳になった。少なくとも戦後民主主義の形がそれなりに出来上がって来て、人々は<自由>という、人間が持って生まれた権利を実感できるのが当たり前の世の中であったと思う。

しかし、実際には自由ではない。のだろうな。知らず知らずのうちに俺たちは搾取されている。

それがわかっているから、コムデギャルソンは、川久保玲は、執拗なまでに<FREEDOM>とか<自由>という言葉を強調するのだ。Tシャツ、というのはブランドであったりバンドであったり、何かしらのメッセージをそこにのせて造られることが多いが、ギャルソンのTシャツにはいつもそう言った言葉が並んでいる。そして広告もそうだ。

<自由を着る>。

自由に着る、のではなく。

川久保玲は自身がつくって来た作品すら破壊して、また創造する。(最近はFOREVERと称して過去のアーカイヴを再販したりするが。そこが徹底的にビジネスライクな一面でまた好きなんだけど。)
自身の作り出したものからすら、自由になるという。

ギャルソンの服を着て、逆にギャルソンに縛られて不自由になってしまっては本末転倒だ。

それは避けたい。