73歳のリアルロック [ROCK]
<ロックはあるべき場所に存在し、生き続けている。>
小学校5年、11歳の時から46年、ロックという言葉にずっとこだわり続けてきた俺のような人間が聞いたら号泣してしまうこと必至なこの名言を発し、未だロックにこだわり続けている御年73歳の現役ロックヴォーカリスト、アリスクーパーのニューアルバム。
どこから切っても<ロック>としかいい様のない音楽がここに鳴っている。オールドスクールなのかもしれない。音楽的には最新ではないのかもしれない。それでもデトロイトの今を歌い、ロックするアリスにとってのリアルロックがここにある。そう、その音楽を表現する人間にとって<リアル>であるということ、嘘偽りのないことが何よりもロックなのである。救いようのない現実にあくまでも抗うこと、それは自分自身に正直であることの証明である。ロックはそんな人達への祝祭のうたなのだ。時には自分に嘘をついて魂を売ってしまうこともあるかもしれない、そのことで自分を責め落ち込んでしまうような、それでもロックを愛するあなたには、<大丈夫だよ、ここにロックがあるから。>と慰めてくれるうたでもあるのだ。
ロックは絶対に死なない。
2021-03-29 20:41