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スロウダンス [ROCK]

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日曜夜、俺と妻のお楽しみ<関ジャム>。この間の松田聖子の特集の中で、80年代初頭の名アレンジャー大村雅朗のことが取り上げられていた。俺にとっては佐野元春、大沢誉志幸の初期を支えた参謀として記憶されているが、それをみたらなんだか大沢誉志幸が久しぶりに聴きたくなってapple musicで検索。

あるある!

大沢誉志幸の魅力は数多いが、やはりオリジナリティ溢れる作曲能力、聴いたら一瞬でそれとわかる個性の塊のようなヴォーカル、で、あのルックスだ。つまりロックヴォーカリストとして最強。
俺はちょうど大学に入学した頃で、望まない進路、不愉快極まりない見たこともなかった都会(笑)の人種、で、そんな奴らに自分の子供じみた思考を思い切り否定(というより嘲笑)される日々。よく大学も辞めずにいたもんだと思うが、そんな中でなんとか生きていたのはロックとコムデギャルソンのおかげだと断言する。ポジティヴパンクと佐野元春、そしてこの大沢誉志幸が俺を救ってくれたのだ。

思い出すなあ。当時西麻布を席巻していた<カフェバー>なるもの。今思えばあれはなんだったのかという、打ちっぱなしのコンクリートの壁、無機質なテーブルと椅子、天井付近にBOSEのスピーカー。
クソまずいカクテル。最低に無愛想な店員。そしてそんなクソ店員にえらく気を遣って入店。ただファッションだけはDCだった。ギャルソン、Y's、ニコル、ビギ、イッセイミヤケ。俺の大学はそれとは真逆のサーファー、テニス、ゴルフファッション兄ちゃん&姉ちゃんしかいなかったから俺の真っ黒ファッションはいつも<モード学園>とからかわれてたけど、それでも同好の士はいたんですね。そんな仲間とDCで武装して、一緒に行くお姉ちゃんはいないので男だけでその手の有名カフェバーに行ったもんですわ。当時大流行りのマティーニなんぞを頼んだはいいが、全然美味しくない。

もう一度言う、あれはなんだったんだ。

俺が溜飲を下げたのはそれから1年くらい経って彼女ができて、クリスマスイヴに当時予約が全く取れなかった青山だか六本木だかのフランス料理店が偶然予約できて、可能な限りのおしゃれをして、美味しいんだかなんだかわかんないけど、鴨肉のローストを食ったことかな。当時はもういっぱいいっぱいだったけどな。

このギリギリ感は、今の若い世代には全く響かないんだと思う。今の俺でも全然わからんし。
でも、無理しちゃいけないだよほんとは。この無理する感じが数年後のバブル崩壊につながるんだから。きっとね。

偶像。虚像。地面に足がついてない。



あ、大沢誉志幸は今も現役バリバリ。35周年のセルフカヴァーライブも聴いたけど、完璧。現在全国ツアー中でついこの前新潟も来ていました。
大沢誉志幸は、きっと当時のカフェバーでもものすごくカッコよかっただろうな。パシュとかアーストンボラージュとか着てたイメージ。

本物はいつでもかっこいいのさ。