SSブログ

たまには素直に泣いてみようーコクリコ坂からを観てー [ROCK]

img_1496969_62606704_0.jpeg
ごめん、ネタバレかもしれないので観てない人は要注意。



宮崎駿という巨大な才能。
俺は日本映画史上に残る傑作<ルパン三世/カリオストロの城>以来の彼の、そしてスタジオジブリの大ファンだ。あれは俺が中学生の時。ルパンが好きで、新潟の三越(当時は小林というデパート)脇に併設されていた映画館に親父と弟と3人で行った。あんまり混んでなかった記憶があるが俺は、はまった。TVの再放送を何回も観た記憶がある。その後進学した大学の研究室の人がなんと宮崎駿の親戚筋の人で、<風の谷のナウシカ>を宣伝していた。これは一緒に行ってくれる仲間がいなかったので行けなかったが。
新潟に帰ってきてからは妻が同じくジブリファンだったこともあり、映画館に行ったりDVD買ったりでほとんどの作品は観たと思う。あの頃、アニメというものがいわゆるバブルに代表されるものと正反対だったのに、あっという間にバブルははじけ、ジブリの表現するものがそんな低レベルで語られるようなものからは1000万光年離れた崇高なものであったことは、いまや当たり前のことなのだが、俺はなかなかそうであることにカミングアウトできなかったような気がする。恥ずかしい。バブルとか、今考えると自分が自分であることの否定のような環境だ。ありえない、今の俺からは。

<俺は俺である必要がある!>、オアシスの名曲になぞらえるまでもなく、人間の基本だろう。

話がそれた。

宮崎駿の息子さん、吾郎の数年ぶりの第二作。悪いが酷評されたファーストアルバムのあと。果たしてどうなのか。巨大な才能は残念ながら年を取り、でも、絶対的な存在として君臨し、その後を担うものは悩み苦しむ。


正確には二人の共作。


娘二人と観に行った。


始まってから終わるまで、ずっと涙腺は緩みっぱなし。なんでこんなに泣けるんだろう。取り壊されそうな部室棟を守るために結束する学生たち。学生運動の初期衝動のような、でも、その戦うべき相手は政府とかじゃなくて、ほんとに近くのオトナ。
主人公のおんなのこは、ジブリ作品の例にもれず、素敵でかわいくて、強い。おかれたつらい環境に負けないで、一生懸命に生きている。

60年代ノスタルジアとかいう意見もあるようだが、まずは普通にこれを観て、素直に泣いてみたらどうだ。そんなひとは、まだ人間としてまともな何かが残っているから。

で、これもカテゴリーがロック。