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苦しみの末の確固たるもの [ROCK]

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エミネムのラップは常に俺を奮い立たせる。ラップというジャンルに全く興味のない俺が唯一聴くのがエミネムだ。
忘れもしない。今の仕事についた際、俺は精神的に病んだ。業務内容の激変、責任、期待していたものとは何もかも違う状況に耐えられなかったのだ。その時俺を救ってくれたのがSyrup16gと、エミネムのラップだった。マーシャルマザースLPが大ヒットし時代の寵児になり、エミネムショウが発表された頃だ。
エミネムは母親や妻との確執、娘への深い愛情を隠すことなく自己の作品に投影し、自分を切り売りするかのように圧倒的なラップでそれを表現していた。時にはディープに、時にはコメディのように。そして若き日のエミネムは美しくカッコ良く、俺は憧れた。それまでロックミュージシャンの典型的なかっこよさしか認めなかった俺が認めた、唯一の男だ。そんなカッコ良さとは裏腹のドロドロの人間関係、トラブルはさらに彼の深みを増していく要因にすらなる。

最高だ。

一般的には初期の作品の方が彼らしさを表しているのかもしれない。でも俺はここ最近の作品にむしろ心を奪われている。
映像作品も最高だったサウスポーのサントラと、ビヨンセの参加でも話題になった<リバイバル>だ。
ラップである前に、音楽的に極めて美しい。そしてあくまでもダークだ。それがエミネムの魅力なのだが、最善の形でそれが現れている。




歳をとっても俺の憧れであり続けてくれ。俺はずっと聴き続ける。

疫病退散 [MOVIE,ART&TV]

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葛飾北斎幻の<須佐之男命厄神退治之図>。北斎86歳の作品で墨田区の牛嶋神社に奉納されていたが関東大震災で焼失。白黒写真のみ残存し、それを元に凸版印刷が復元、すみだ北斎美術館に常設展示された。俺はすみだ北斎美術館で実物を見たが、須佐之男命が当時流行った疫病を踏みつけ跳ね除け退散させていく迫力に圧倒されたのを覚えている。須佐之男命が葛飾北斎自身にすら見えた。そう、北斎は100歳まで生きると豪語し、あともう少し命があったら芸術の神の領域にすら到達できると信じていたのだ。

北斎、今こそ2020年の暗黒の世界を、この疫病から救ってくれ。そして疫病を踏みつけてくれ。跳ね除けてくれ。




現代の須佐之男命はいないのか、、。