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ザ・映画 [MOVIE,ART&TV]

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今年のアカデミー賞を席巻したオッペンハイマー、俺のフェバリット監督クリストファーノーランの最新作であれば観るしかないでしょう。土曜日の夕方に一人で3時間、観ましたよ。
実はノーランさんの作品を映画館で観るのはこれが初めて。ダークナイトで彼の魅力にハマってからメメントまで遡り、ほぼ全制覇したけど。

本題。
まず、映画を観ただけでわかるような情報量はない。オッペンハイマーが原爆の父であることは周知の事実であるから問題ないとして、そのほかの登場人物はある程度予習しておいた方がいいのかも。
で、時間系列が3つあり、これがランダムに登場するので混乱とはいかなくてもやや複雑。場面でモノクロ、カラーが分かれるのは常套手段としても。

クリストファーノーランと言えばCGを排してアナログに拘りまくった映像美が魅力のひとつだが、そういう意味ではダークナイトトリロジーやダンケルク、テネットに比べると映像の迫力を見せるような場面は少ない。ただ、人類初の原爆実験成功時の映像とおとはこの映画の最高潮である。

3時間は長いな、と感じる瞬間もあるが結局だれることなく最後まで飽きさせないのはすごい。

で、俺がこの映画を観て最初に思ったことは、「核についてちゃんと考えよう」ということだ。核兵器、原子力についてちゃんと考えようと。アインシュタイン以来多くの天才物理学者がこの分野で才能を発揮し、人類はあの太陽に匹敵する強烈なエネルギーを手にした。それは使い方を誤ればあっという間に人類、この地球を破滅に追いやってしまう諸刃の剣だった。唯一の被爆国である日本。その中で東日本大震災以来停止していた日本の原発の再稼働問題や核を保有する複数の国が現在紛争中であることを思うと、今この映画が日本で公開されている意味を真剣に考える時なんだろう。

そのことだけでも、これは唯一無比の映画であると言える。映画そのものの魅力は彼の映画の多くがそうであるように何回も観て判断すればいいことだ。

久しぶりに、心震わせた映画であることは間違いない。