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エディ [戯言]

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俺のファッションの基本を作っているコムデギャルソンは、ずっと背骨の様な存在であり続けているわけだが、そんな俺が例外的に大好きなデザイナーがいる。

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エディスリマン。
イヴ・サンローランリヴゴーシュのデザイナーとして名を挙げ、ディオールオムで爆発的な人気を得た、ファッションの歴史に残る天才デザイナー。その特徴はなんといってもスリム、スキニー、ブラック。
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エディ自身がモデルと見紛うかのルックスを誇っていて、自分が着たら一番似合うのでは思わせるこのスタイル。タイトなブラックジャケット、超スキニーなブラックパンツ。全てのカッティングがスリム。カールラガーフェルドがディオールオムのジャケットを着るために40kg減量したと言うのも有名な話だ。
エディのコレクションの基本はロックであり、リアルクローズだ。でもあくまでも上品で憧れの部分は絶対に外さない。そこが俺の大好きなところだ。

でも、俺には着られない(涙)。サイズ的に、無理。減量しても肩幅が、無理、であった。いつかはエディ、なんて思えることもないくらい、スリムでスキニー。骨格から変えないと、無理。

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この頃エディの心を掴んでいたのがザ・リバティーンズのピートドハーティ。リバティーンズ一色のコレクションを発表したこともあるくらい。当然ピートはディオールオムを実にカッコよく着こなしていた。これぞロックミュージシャンの神髄だ。

エディが提案した完璧な世界は、ずっとメンズファッションにつき刺さったままだが、最近のビッグメゾンが提案しているファッションとは全く異なる。

俺はこれにはついていけない。ルーズでカラフルで、誤解を恐れずに言うならば、あえての下品。ブランドロゴが大々的にフューチャーされ、それを着ていることがあっという間にわかってしまう。
ブランドロゴは確かに大事だし、ギャルソンだってうまくそれを使って商売にしてるけど、でもなー。
下品になったらそれは終わりだ。

俺が古いのかな。今月58になる、もうアラカンだしな。

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エディは今セリーヌのデザイナーとして相変わらず俺たちに美しい男のファッションを提案し続けている。以前のスリム、スキニーな禁欲的な世界観からはちょっと穏やかになったようだけど、それでもほかのビッグメゾンのルーズでカラフルな世界からは相当な距離を保ってそこに君臨している。今となっては貴重な存在だ。

これからも、ずっとロックし続けてくれ。