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大文字のROCK [ROCK]

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マネスキン待望のニューアルバム「RUSH!」。サブスクで早速聴いてみたが、実にロックだ。それも大文字の、ロールではない(もちろん彼らのサウンドはグルーヴ最高のロックンロールなのだけど)ロック。60年代後半から70年代にかけてロックが芸術の最高峰だった時代。音だけでなくミュージシャンの佇まい、ルックス、ファッション、発言、意見、ライフスタイルに至るまで、そのバンドを聴いていればおおよそのことは解決できた時代。そんなロックがここにある、と信じたくなるおとだ。アルバムタイトルを「ROCK!」にしたくなるくらいだよ。

実際には彼らはもっとしたたかで、もっと現実的なのだろう。10代から20代が将来に明るい展望を見出せないのも現実的ならば、自分がすべてを捧げるであろうロックに、したたかな現実性を加味することでこの混沌とした先の見えない時代を生き抜こうという精神も実に正しい。そこには俺が若い頃に夢中になったバンドたちとは全く異なる20代らしからぬ力強さがある。
ロック復権!などと古臭いことを言うつもりはない。ただロックに拘り続ける極北のロックジジイがちょっと夢を載せたくなる、そんなことを思った。

Keep on Rockin'!

神様 [ROCK]

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突然天に召されてしまった。
大好きだった。中学校の時、間違ってジャケ買いをしたのが始まり。最高にロックなこのジャケット、でも全曲インスト。でも圧倒的にロックだった。

ギターが凄まじいのはもちろんなんだけど、なんといってもこのルックス。本当にカッコいい。で、20代の頃から70過ぎても全然変わってない。スリムなまま。弾いている姿はまさにギターヒーローそのものだった。

残念だ。R.I.P.

全ての敗者へ [ROCK]

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イギーポップ渾身のロックアルバム。俺も大好きなダフマッケイガン、チャドスミスに加えあのテイラーホーキンス、デイヴナヴァロ、ジョシュクリングホッファー、ストーンゴッサードなど、オルタナロックの権化のような方々がバックを固める。

何度も言ってるがイギー、75歳。演奏担当はヴォーカルのみ。そして楽曲制作。若手の敏腕プロデューサーをちゃんと抱えているところも外してない。ご自分の立ち位置を正確に理解されているのだ。

悪いわけがなかろう。ヘビロテ必須だ。

オーディンの宮殿 [ROCK]

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ヴァルハラ(ドイツ語: Walhalla)は、北欧神話における主神オーディンの宮殿。古ノルド語ではヴァルホル(Valhöll、戦死者の館)という。
wikiより。

ハマりまくっている。イギーポップとジョシュホーミが作り上げた傑作<POST POP DEPRESSION>とその周辺作品に。ロイヤルアルバートホールのライブやアルバム制作過程を追ったドキュメンタリーも。

アメリカンヴァルハラ。
イギーは<俺のアメリカンヴァルハラはどこだ?>と問いかける。それが何を意味するのか、まだ俺にはわからないが、この作品群にハマることで少しでも理解できたらと思う。

イギーが語る<ヴァルハラ>という言葉にはそんじょそこらの連中には絶対に出せない重みがあるのだ。

経験を重ねることで重みを増す、そんなロックもあるのだと、イギーを見ていると気付かされる。

それにしても、実に知的だ。

ホテルのエース [ROCK]

先週はコロナ禍以来本当に久しぶりに遠方の学会で奈良へ。宿泊は京都。以前から行きたかったエースホテル京都に泊まる。

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今期ギャルソンシャツのコートを着て。

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ここは2階の朝食会場天井風景。

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各部屋にレコードプレイヤー。(部屋によってはアコギもある。)ロビーは結構な爆音でロック。日本にはここにしかないSTUMPTOWN COFFEE併設。カプチーノ堪能しました。コーヒー豆も買ってくればよかった。
隈研吾イズム炸裂の木を最大限に生かした建築。ずっとこの空間に居たかったので夕食は3階のイタリアンで。もちろん朝食も。

音楽好きには本当にたまらない新しい感覚のホテルです。日本のホテルのホスピタリティと外資系だけど巨大資本ではないオルタナティヴな部分がいい感じで融合している。地下鉄の烏丸御池からすぐのアクセスもいい。
ロビーの空間に居るだけでもとても素敵なので京都に行く際にはぜひ。

男気 [ROCK]

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クイーンズオブザストーンエイジのフロントマン、ジョシュホーミがイギーポップを完全バックアップして作り上げたのが2016年の傑作POST POP DEPRESSION。このライブ映像と完成までのドキュメンタリーも素晴らしい。デッドウェザーやアークティックモンキーズのメンバーも加えた実にロックな編成もいい。

ライブのRUST FOR LIFEを。
https://www.youtube.com/watch?v=Q-cR_iGS1X8

以前にも増して、ヴォーカル、ギター、ベース、ドラムスからなるロックを欲している自分がいる。このアルバムもそれに完全一致する。

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それにしてもジョシュホーミ、ドキュメンタリーで観る彼の佇まいは本当に穏やかで紳士的だ。まあ大尊敬するイギーとの共演ドキュメンタリーのインタビューだし当たり前なのかもしれないが、このルックスとのギャップがまた素敵だ。

また共演してくれないかな。

EVERY LOSER [ROCK]

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ロックを愛するものなら感涙必至のこのタイトル。イギーにしかつけられないし、つけてはいけない。

しかし、御年75歳とは。完璧なスタイルを除けば(いや、これを維持するだけですでにありえないのだが。)変に若々しくないところがまたいい。

ダフ [ROCK]

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ガンズ来日。3時間27曲。すげえわ。
で、このダフマッケイガンの相変わらずのかっこよさはなんだろう。1964年2月生まれ、日本でいえば俺と同学年。もうすぐ59歳、還暦間近。
で、この世で最もクロムハーツが似合うロックミュージシャン。ネックレス、リング、ブレスレットはもちろんのこと、レーシング2のライダースをさりげなく着こなしてる写真もあったわ。

若い頃にアルコール多量飲酒で生死の境を彷徨ってから実にクリーンな生活をおくっていらっしゃるとのことだが、少なくともこの見た目は一般の方々が想像する<ロックミュージシャン>そのもの。そこが素晴らしいじゃないか。

この一枚の写真にとてつもない力をいただきました。

ちなみにダフの数ある美麗写真で一番好きなのがネットで検索するとトップに出てくるこれ。

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これ以上何がいるのかという、ロックミュージシャンの鏡のようなルックスだ。

犬と奴隷 [ROCK]

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ギターロックは終わったとか、ロックはもうメインストリームではないとか、そんな戯言をほざく奴らには黙ってこのバンドを聴かせてやればいい。

そう、マネスキン。

で、そいつらがマネスキンを聴いて黙ってくれたら、イギー&ストゥージズの<I wanna be your dog >とマネスキンの<I wanna be your slave>を聴き比べてもらう。で、イギー共演のヴァージョンでトドメだ。

マネスキンのロックは男根主義ロックとかマッチョイズムでロックを語ることが実にくだらないかをわからせてくれる。ヴィクトリアのあえてあのルックス、そこに単純にセクシャリティを感じる単細胞の輩に「何考えてるの、馬鹿じゃないの?」ときついお灸を据えられる。そこから彼らを理解することが始まるわけだ。で、俺たちは犬になり、奴隷になる。ちゃんと理解した上で。

お前の犬になりたい、と1969年の時点で叫んでいたイギーポップは、実に正しかったし、お前の奴隷になりたい、と2021年にイギーと共演したマネスキンは、更に正しいのだ。



SAD SONG [ROCK]

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https://www.youtube.com/watch?v=gEfdJ4r79Pc
彼らの数ある名曲の中でも最高峰に位置するSAD SONG。

チバユウスケが、自身が影響されたロックバンドとしてTHE ROOSTERSとTHE MODSのことをコメントしててなんだか聴きたくなった。
大学に入ったばかりの時、ヘビロテのバンドだったなあ。3rdアルバムINSANEと「ニュールンベルグでささやいて」の12inchアナログ、で極め付けのこのDISをアナログレコードで連続ゲットしたのを覚えている。大学の連中はもちろんTHE ROOSTERSなんて聴いてなかったけどね。

この20数年後、当時組んでいたバンド、「ゆらばす」でTHE ROOSTERSのGOOD DREAMSをやったぞ。楽しかったなあ。

このニュールンベルグでささやいて、も秀逸。オリジナリティの権化だ。
https://www.youtube.com/watch?v=Fp-ZhsL765M

tippa my tongue [ROCK]

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https://www.youtube.com/watch?v=JY0uQBb5JYM

なんか久々な感じの直球ふぁんきい。ものすごくきもちいい。筒井康隆のあの名作小説みたいに、きもちいいところがぜんぶひらがなになっちゃうくらいのあのかんじだ。そしておとがとてもいい。いかどうぶん。


ブラッドシュガー期の音圧に近いような印象。

アルバムに期待!

理想的コラボレーション [ROCK]

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いつかくると思っていたコラボレーションが実現。
椎名林檎が言っているように、無罪モラトリアム収録曲全曲をadoのヴァージョンで聞いてみたいと思った次第。

映画の予告編の途中で曲がちょっと聴ける。いいぞ。
https://www.youtube.com/watch?v=pQTvSVD5ArM

今年2枚目! [ROCK]

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なんだかジョンがソロ作品を凄まじい勢いでリリースしていた神がかり的なクリエイティビティ期を思い出したぞ。
今のレッチリは全員がそのモードなのだろうな。
ミーマイ的にはここからの新曲もやりたいが、まずはBlack summerとThese are the waysを完璧に仕上げるのだ。


ずっと追っかけて行くぜ!

lover's rock [ROCK]

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レイジも、グリーンデイも、パールジャムもみんな怒っているアメリカのあの問題。50年時代が逆行したと言われている。
その答えはここにある。パンクロックは男根ロックの対極であり、フェミニズムを自然に表現できたことが個人的には最大の功績だと思っているのだが、ザクラッシュの言わずもがなの超名盤、ロンドンコーリングのlover's rock。

この歌詞を感じてくれればいいのだ。すべての男どもに、捧げる。

しかし、今や0.01mmなんだよな。もはや着けてるのか着けてないのかわからんぞ。
それくらい、つけろよ。マジで。

今復活することの意味 [ROCK]

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https://www.youtube.com/watch?v=9Usn9P-uryQ

レイジアゲインストザマシーン、復活ライブ。デビューの時から常に世の中の不条理に真っ向から対峙してその言葉と、それと同等(あるいはそれを上回る)の音でオルタナティブロックが何たるかを表現してきたこのバンドが、今ここにいる意味。20年間、彼らは新曲を発表していない。しかし、その彼らの楽曲が今という時代にも確実に有効である事実。

結局、世の中の不条理の本質は全く変わっていないのか、それとも彼らの楽曲がすでに普遍的なものであるのか。きっとどちらも正しい。

この日本はどうだ?なんなんだ、先週後半からの陰鬱な日々は、、、、、。

俺は、今の自分の(いろいろな意味での)立ち位置にある種の諦めを感じつつ、それでもなんとかしたいというわずかな希望を、この稀有なロックバンドのちからを信じながら持ち続けたいと思っている。

せっかく、ロックに出会ったのだから。ロックに、出会ってしまったのだから。

合言葉はhell? [ROCK]

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https://www.youtube.com/watch?v=Efmq_uXt1Rk

で、そのBLACK MIDI、7月に発表されるニューアルバムがhellfire。先行曲はwelcome to hell。
hellfireとは地獄の業火?それともアメリカの空対地ミサイル?どっちもか。

リナサワヤマのニューアルバム先行曲もthis hell。

合言葉は、hell?まあ、今の世界じゃ仕方ないけれど。

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amazonで見たらアナログはこの状態。、、、、地獄の業火じゃねえか。
国内盤CDにはスティーヴアルビニ録音のアルバム収録曲ライブが2曲収録されている。
もちろん、どっちも予約しました。

LOVE STORY [ROCK]

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https://www.youtube.com/watch?v=RC-Yl0L3Vis

BLACK MIDIのカヴァーアルバム、21世紀のスキッソイドマンなど直球のカヴァーも秀逸だがここはこれを。
テイラースイフトのLOVE STORY。俺は彼女ほとんど聴いてないので原曲を知らず。
BLACK MIDIとは似ても似つかぬ?でも俺はこのバンドのヴォーカルの声質がいい意味ですごくウェットなので、この手の曲が合うんじゃないかと感じる。


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https://www.youtube.com/watch?v=8xg3vE8Ie_E

原曲もいいねえ。

実は一番聴いていた [ROCK]

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ロッキングオン7月号はポストパンク、ニューウェイヴ特集。
1979-1987って俺が高校生から大学生の頃にピッタリはまる。
高校の時はそうでもなかったけど、大学で実は一番聴いていたのがこのジャンルかもしれない。
画像を提示したザ・キュアー、ザ・スミス、ニューオーダー、全部LPで持ってた。
キュアーの日本人の囁き、最高でした。一曲目が<LET'S GO TO BED>。すげえ。

で、面白いのがこのポストパンク、ニューウェイヴのバンドをカヴァーしたいと思ったことがほとんどないという。バンドでやりたいよりは聴いていたい感じなんだよね。技術的にバンドとして優れているかという問題もあるし。

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最近はバウハウスをよく聴いてます。このバーニング・フロム・ジ・インサイドもLPで持ってました。ジャケット、かっこいい。
ここ数年また活動しているようで、画像なんかをみるとむしろバックの3人のかっこよさが際立ってる。ピーターマーフィは往年の美しさから比較すると年齢相応だが、それでもたいしたものだよ。

アンジェリーナ [ROCK]

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デビュー42年。
初めて佐野元春の楽曲を聴いた時、歌詞はしっかり日本語なのにこれは本当に日本のミュージシャンなのか?!と驚愕した。以来彼はいつも俺の聴く音楽の中心にいる。
大学生の頃は元春ばかり聴いていた記憶がある。サークルで組んでいたバンドでも元春の楽曲をやっていたし、当時付き合っていた彼女に<俺をもっと知りたいなら元春を聴きな。>なんて、小っ恥ずかしいことまで言っていたのだ。

ちょっと、いや、かなり恥ずかしい。

でも、元春のかっこよさは永遠にブルーにこんがらがったまま絶対に消え去らない。
基本的に元春の歌詞はデビューの頃から変わらない。その歌詞の世界は完成しているから。かっこよさの基本がブレないのだ。
元春の初期のイメージを完全に作ったこの<アンジェリーナ>。
オリジナル楽曲はこんな感じ。
https://www.youtube.com/watch?v=U064XOPWepo
忠実なロックンロールで、実に素敵だ。

で、これが数年後にこうなる。
https://www.youtube.com/watch?v=cttJyKiJKwg

これが出た時はびっくりした。全然違う曲になっていたから。なんだか元春に<今後の俺についてこれるか?>と踏み絵を渡されているような気すらしたもんだ。
当時はこのアレンジ、ファンには微妙で賛否両論だったのを覚えている。ステレオタイプの元春じゃないからね。

今となってはどちらも素敵だ。この振れ幅こそ、元春なのだからね。

人間の振れ幅って、とても大切なのだよ。ここではない、どこか。

レコードで [ROCK]

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この2枚はレコード(アナログと言わずあえてレコードという)で買うしかないでしょ。
しかしどっちもダウンロードデータはついてないんだね。サブスクで、ってことか。

スミス [ROCK]

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サンローラン今期春夏、ザ・キュアーのロバートスミスにインスパイアされたスニーカー、その名もスミス。この装飾が施されたタイプは30万!

ロバートスミスといえば、ちょっと前のプリュスコレクション、ダークルームが実にそれらしかったなあ。未だ大きな影響を及ぼしているのは素晴らしい。
そんなこと言ったらカートコベインもそうだけどね。


音がいい [ROCK]

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発売以来超ヘビロテのレッチリがお届けする無限の愛。プレイヤーが奏でるそのままの音、アナログな音が実に新鮮。それぞれの楽器のぶっとい音とアンソニーのヴォーカルがクリアかつまとまって響く。
ライブ動画を見るとジョンのヴィンテージストラト&マーシャルアンプの組み合わせはまあ言うに及ばずだが、フリーのフェンダーベース(こっちはジャズベだけどピックアップがハムバック)にアンペグアンプのセットはなんだかロックの基本みたいで素敵だ。フリーっていうとその昔はモジュラス&SWRだったからなあ。

4/8発売のアナログレコード、注文済み。わくわく。

ミーマイ新曲はこのアルバムからBLACK SUMMER!

愛は無限大 [ROCK]

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一回ざっと聴いてキャッチーに引っかかるのは先行曲black summer。アルバム全体のイメージはバラエティに富んでおり、俺が勝手に望んでいたblood sugarやcalifornicationの統一感ではない。あの2枚のアルバムはやはり何かが乗り憑って作られたような、ストーンズで言えばメインストリートのならず者、クイーンで言えばオペラ座の夜、のような神がかったアルバムなのだ。
unlimited loveは祝祭のアルバムである。コロナ禍でズタズタになった世界を再び進ませるためのロックのちからをロックバンドで取り戻す。打ち込みやパソコンではない人力のちからで取り戻す。このアルバムを聴いていると言いようのないパワーが湧いてくる。レッチリの愛が、無限大の愛が、疲れ切った俺たちに無限のちからを与えてくれる。サウンドも実にアナログだ。潰れてない。ひとつひとつのおとがぶっとい。それぞれの一音がはっきりと届く。

アルバム発表後精力的なプロモーションライブを行なっているようだが、youtubeで動画を見ると今回のMVPはチャドのドラムではないかと思う。還暦過ぎのおとではない。なんだかむしろ前よりパワーが増したのではないか。these are the waysのライブ動画を観てみなさい。凄まじいぞ。

あと、テイラーホーキンスを追悼した、バスドラムに描かれた<TAYLOR>が切なくて、素敵だ。ここにも愛を感じる。

愛のアルバムに感謝です。

ドラムの申し子 [ROCK]

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フーファイターズのドラマー、テイラーホーキンスが亡くなった。
フーファイのドキュメントビデオ<back and forth>を観ると、テイラーが加入する前後のことが詳細に語られているのだが、唯一無比の<あの>ニルヴァーナのドラマーだった男がフロントでヴォーカルとギターをやっているバンドでドラムを叩くという凄まじいプレッシャーに、そのドラミングで完璧に答えたテイラーの素晴らしさがよくわかる。
デイヴグロールは、あのキャラクターから<いい人>と思われがちだけど、音楽に対しては非常にシビアでクールだ。フーファイのセカンドで、すでに録音されていたドラムパートを一曲を除いて自分のドラムで再録音し、そのドラマー、ウイリアムには<ライヴでは叩いてほしい。>と言い放った男だ。あの満面の笑顔からは想像もできない。ウイリアムがその申し出を断って脱退したのは当たり前のことだ。

テイラーホーキンス初参加の<There is Nothing Left to Lose>。リードギターも抜けて期せずしてトリオになってしまったフーファイが、そのアルバムタイトル通り、<失うものは何もない>との覚悟で作り上げた真の意味でのフーファイのファーストアルバムとすら言える名盤だ。一曲目の<Stacked Actors>のイントロを聴いた瞬間、俺はこのアルバムの成功を確信したのを覚えている。ニルヴァーナ信者である俺がこじつけるならば、ニルヴァーナと同じトリオになったフーファイ、デイヴが自分と同じ、あるいはその上をいくドラマーを発見した瞬間というのは、カートがデイヴを発見した瞬間と同じだったのだ。

よくないな。ニルヴァーナ信者は、フーファイにそれを重ねてしまうんだ。

テイラーホーキンスの名演はフーファイの名盤群とともに永遠に生き続けるのだが、それにしても悲しすぎないか。彼の体内から検出された10種類の薬剤。オピオイド、という名前に俺はプリンスの悪夢を思い出した。音楽を表現するために彼らは体の尋常ではない痛みと戦い、強力な鎮痛剤を使用する。それには処方する医師にも重大な責任が伴うのだ。アメリカ。そこを今一度、考えてほしい。


テイラーホーキンス。デイヴグロールに負けずとも劣らないあの笑顔に。

R.I.P.

光の魔人 [ROCK]

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日本が誇るロックバンドの至宝、ザ・クロマニヨンズ。15枚目のニューアルバム。
彼らの音源を初めて買った。もちろん曲はある程度は知っているし、聴いてはいるけれどちゃんと買って聴いてみた。
俺が彼らに共感するのはなんと言ってもその年齢。甲本ヒロト、59歳。マーシーは60歳。で、この佇まいとこのサウンド。そしてこの楽曲。ロックが本来持っていた原始性というか、(あ、だからクロマニヨンズなのか。)年齢と関係ないいい意味での子供っぽさというか、そこが圧倒的に優れているのだ。

冒頭2曲め、ヒロト作詞作曲の光の魔人。
<眠れないぜ 銀の星よ これが恋か これが恋か>
なんだ、このエヴァーグリーンな歌詞は。眩しくて美しい。

これがロックだ。これがロックバンドだ。

まだまだいけるぜ。

そして、再び集まる [ROCK]

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レッチリニューアルバムからのBlack summer、PVの目玉はなんと言っても後半のメンバー全員集合演奏シーンだろう。ジョン復帰以来、レコーディングではある程度は一緒にいたのだろうけれど、もしかしたらCOVID-19の影響でそれも必要最小限だったかもしれない。まして一発録りなんて。
Black summerがこの困難な状況を言い表しているのは間違いないし、それが終わって新しい日常に向かう覚悟のような楽曲だから、この集合演奏シーンは絶対に必要だったのだと思う。

これがロックバンドだよ。

リバ [ROCK]

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サマソニ2022。え?   THE LIBERTINESだって?!

ピートは日本に入国できるのか!そこが問題ないのなら20年経とうがあの奇跡的に美しいピートとカールのツーショットはこの疲れ果てた極東の島国に力を与えてくれるはずだ。

わくわく。

アンソニー [ROCK]

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Black summerのPVを観て一番感動したのは曲とかじゃなくてアンソニーのボディ。筋肉で武装された彼の肉体も年齢と共になんとなくそれ相応になっていた気もしたから、今回相当気合を入れてこのボディを作り込んできたのではないかと勝手に推察した。顔は言い方は悪いが若干痩せすぎというか、やつれた感じにも見えてしまうのだが、このボディが全てを帳消しにする。

この顔と肉体を見てイギーポップを思い出したのは俺だけじゃないだろう。つまりその域に彼は到達しようとしているのだ。

曲自体は往年のレッチリ節だ。カリフォルニケーション期の感じに似ている気がするが、もうちょっと音圧があるかも。そして、とてもメロディアスで綺麗だ。切ない。
メンバー4人中3名が60歳前後。あのジョンですら51歳。いやあ、この枯れた感じと切なさ、そしてサビのパワーは20代では無理だ。(と勝手に思うことにする。だって俺も今年59歳に。)

アルバムに期待。

ギミー酒場シェルター [ROCK]

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日本が誇る真のオルタナティヴロックバンド、モーサムトーンベンダーの最強フロントマン、百々和宏4枚目のソロアルバム、OVERHEAT49。俺は彼のエッセイ泥酔ジャーナル4と各種グッズてんこ盛りのデラックスセットを購入した。

「ロック」がここにある。

彼はソロアルバムに必ずロックンロールハートという楽曲を入れているのだが、ロックンロールというよりやはり、ロック。アコギでも、ロック。彼のこの「こえ」とギター、ロックミュージシャンとして最高のルックスが揃うと、まさにロックなのだ。10代の頃、手に入れたくても手に入れられなかったこのルックス。50歳になろうとしているのにこのルックス。素晴らしいじゃないか。ロックのミューズもやはり女なのか。彼に「こえ」とギターまで与えてしまった。

以前カートコベインが生きていたら今頃ジョニーキャッシュのようなソロアルバムを出して、アコギを抱えてツアーしてたんじゃないかと何度もこのブログに書いた。ちょっとそんな面影を見てしまうくらい、25年前からずっと彼はそこにいてくれる。それが嬉しいじゃないか。

泥酔ジャーナルはそんな百々の真っ直ぐで正直な素顔が全開の秀逸なエッセイだ。COVID-19禍の影響をモロにうけた飲食業界、中でもアルコール系と音楽業界、特にライブハウス。彼がずっと愛してきた古くからある良心的な居酒屋と、リアルなロックだけをオーディエンスに観せ続けてきたライブハウス。そういったもの、人への愛で溢れている。だからそうでない人間たちには手厳しく彼流のダメ出し。

ギミー酒場シェルター。